今回は加古川気動車区に所属の3両のキハユニ15のうち、キハユニ15 3の画像から。
キハ44000~44003までの最初の4両のうちの1両の改造車であり、その最末期になる。
まず側面は、いわゆるバス窓ではなく、300番台より前のクハ86にとても似た印象。
一段上昇窓で、シールヘッダーあり。軽快なイメージではなくむしろ重厚な印象あり。
これだけでも十分に違和感。キハ17以前の気動車の方向性の模索時代、であろうか。
しかも屋根が低い=雨樋の高さが低いことが、両側連結車両と比べてもわかりやすい。
少しでも小型化軽量化を考えての設計、なのであろう。
運転室側は、最初のキハ44000~キハ44003までは裾部(スカート)があったそう。
キハユニ15改造時に切り取りだそうであるが、上記キハユニ15 3は正面下左右に残り。
なお、以下資料のキハユニ15 2や4では、キハ44004~(キハユニ15 5~)に似て、
さらにカットされているように見える。キハユニ15 3とは異なっている状態。
※RM LIBRARY 20国鉄郵便荷物気動車の歩み上(P15)
残念ながら午後の出庫は5両編成の3両目に連結で、正面を見ることが出来なかった。
そのため上記画像では少し見ずらいが、正面2枚窓が小型化されていることがわかる。
少々間延びした正面の印象になりそう。
さらにドアの開く向きについてになるが、3ドア片開きの電車とはどうも異なる。
運転室ドアと最前部客ドアの間にある1か所の窓が戸袋窓になっており、違和感。
通常の3ドア電車(旧型国電)では、この窓は戸袋窓にはならず開けることができる。
もちろん例外で、サハ57からの改造車(クハ55)やクモハユニ64の増設運転室側など、
戸袋窓になる例は存在はするが基本少なく、通常はここは開閉可能な窓になる。
見れば見るほど怪しい疑問が沸くキハユニ15 3は、しかしこの時しか撮影できず。
廃車が少し早く、その年の7月に行った時には既に見ることが出来ず、であった。
電気式気動車自体もそうであるが、気動車の地位を確立する前の迷える姿を少しだけ
おがむことが出来た、という気持ち。不思議な車両との対面を経験、の思いであった。
なお、今回搭載のカラーネガ2コマは、単なる彩度・色相劣化だけにとどまらず、
傷とポチとカビが多数、復元に多大な時間を要し、かつこの程度まで何とか、である。
不十分は承知で、しかし自分としては泣きそうな元画像を、多少ともみられるレベル
に何とか出来たという状態。重要なコマの劣化がキツイと、心が折れそうになります。
※変色劣化の補正は、yasuo_ssi 様から御提示いただきました(参考をご参照)
キハユニ15_3←キハ09_3*←キハ44002*(1952年製)
電気式*→液体式へ改造と同時にキハユニへ改造
参考:RM LIBRARY 20/21国鉄郵便荷物気動車の歩み
上(P15~P20)、下(P44~P47)、他
鉄道ピクトリアル アーカーイブセレクション13 国鉄の気動車1950(P55)
鉄道ピクトリアル アーカーイブセレクション14 国鉄の気動車1960(P13)
JTB時刻表(1980/03)
yasuo_ssi 様ブログ
2024-03-07 GIMP[平滑化]コマンドを使った緑色変色フィルムの補正