一睡の夢:国鉄末期の12年

40年ほど前の国鉄時代の記録

湘南気動車 3(加古川線 キハユニ15 3)

1980/03/18 加古川気動車区、回741D出庫、キハユニ15 3

 今回は加古川気動車区に所属の3両のキハユニ15のうち、キハユニ15 3の画像から。

キハ44000~44003までの最初の4両のうちの1両の改造車であり、その最末期になる。

 まず側面は、いわゆるバス窓ではなく、300番台より前のクハ86にとても似た印象。

一段上昇窓で、シールヘッダーあり。軽快なイメージではなくむしろ重厚な印象あり。

これだけでも十分に違和感。キハ17以前の気動車の方向性の模索時代、であろうか。

しかも屋根が低い=雨樋の高さが低いことが、両側連結車両と比べてもわかりやすい。

少しでも小型化軽量化を考えての設計、なのであろう。

 

1980/03/18 加古川気動車区、回741D出庫、キハユニ15 3

 

 運転室側は、最初のキハ44000~キハ44003までは裾部(スカート)があったそう。

キハユニ15改造時に切り取りだそうであるが、上記キハユニ15 3は正面下左右に残り。

 なお、以下資料のキハユニ15 2や4では、キハ44004~(キハユニ15 5~)に似て、

さらにカットされているように見える。キハユニ15 3とは異なっている状態。

  ※RM LIBRARY 20国鉄郵便荷物気動車の歩み上(P15)

 

 残念ながら午後の出庫は5両編成の3両目に連結で、正面を見ることが出来なかった。

そのため上記画像では少し見ずらいが、正面2枚窓が小型化されていることがわかる。

少々間延びした正面の印象になりそう。

 

 さらにドアの開く向きについてになるが、3ドア片開きの電車とはどうも異なる。

運転室ドアと最前部客ドアの間にある1か所の窓が戸袋窓になっており、違和感。

通常の3ドア電車(旧型国電)では、この窓は戸袋窓にはならず開けることができる。

もちろん例外で、サハ57からの改造車(クハ55)やクモハユニ64の増設運転室側など、

戸袋窓になる例は存在はするが基本少なく、通常はここは開閉可能な窓になる。

 

 見れば見るほど怪しい疑問が沸くキハユニ15 3は、しかしこの時しか撮影できず。

廃車が少し早く、その年の7月に行った時には既に見ることが出来ず、であった。

電気式気動車自体もそうであるが、気動車の地位を確立する前の迷える姿を少しだけ

おがむことが出来た、という気持ち。不思議な車両との対面を経験、の思いであった。

 

 なお、今回搭載のカラーネガ2コマは、単なる彩度・色相劣化だけにとどまらず、

傷とポチとカビが多数、復元に多大な時間を要し、かつこの程度まで何とか、である。

不十分は承知で、しかし自分としては泣きそうな元画像を、多少ともみられるレベル

に何とか出来たという状態。重要なコマの劣化がキツイと、心が折れそうになります。

 ※変色劣化の補正は、yasuo_ssi 様から御提示いただきました(参考をご参照)

 

1980/03/18 加古川気動車区、回741D出庫、キハユニ15 3

   キハユニ15_3←キハ09_3*←キハ44002*(1952年製)

     電気式*→液体式へ改造と同時にキハユニへ改造

 

  参考:RM LIBRARY 20/21国鉄郵便荷物気動車の歩み

      上(P15~P20)、下(P44~P47)、他

     鉄道ピクトリアル アーカーイブセレクション13 国鉄気動車1950(P55)

     鉄道ピクトリアル アーカーイブセレクション14 国鉄気動車1960(P13)

     国鉄気動車客車編成表 81(P116)

     JTB時刻表(1980/03)

 

     yasuo_ssi 様ブログ

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