一睡の夢:国鉄末期の12年

40年ほど前の国鉄時代の記録

飯田線旧型国電最後の力走5(47069/54110)

1983/05/03 飯田線 金野/千代、253M 天竜峡行、クハ47069/クモハ54110

 この区間は、天竜川と山に囲まれた狭い場所に線路がある。千代駅金野駅は閑散。

撮影者にはありがたいが、なんでここに駅があって維持されているのか、少々驚く。

金野から少し道なりに上がった地点に見通せる場所があり構える。ここまで民家無し。

やがてやってきた253Mは、平岡発天竜峡行の2両。遠目でもクハ47の小窓が目立つ。

そして通過する電車がトンネルに入ると、元の静寂な時間に戻ったことに気が付く。

天竜川の水の流れが時折少し聞こえるだけ。本当に山奥を感じてしまった。

 

1983/05/03 飯田線 天竜峡、クハ47069

 旧32系のクハ47のうちサハ48からの改造車は運転席側後ろ(4位側)にトイレあり。

1983/04/10 飯田線 辰野、クハ47069

1978/08/08 飯田線 東上、クハ47069

 クハ47069←サハ48015(1930年製)

旧32系の車両は小窓がぎっしりと並ぶ。客車のスハ32等と似ている点も感じられる。

このうち、サハ48からクハ47にとてもよく似た運転室取付改造車が051~である。

末期の飯田線には、もとからのクハ47009(トイレが助手席側後ろ、3位側)と、

改造車クハ47069(トイレが運転席側後ろ、4位側)が最終運転まで残っていた。

069は正面窓上に縦手摺が2本あり、客ドア4か所のうち3か所が2枚ガラスで区別可能。

1978年では正面窓が全部木枠であるが、その後運転席側のみHゴム化されていた。

1978/08/08 飯田線 豊橋、クハ47069

 1930年製、戦前の昭和一桁世代の現役車両。2列のリベットが歴史を語ってくれる。

 

1983/04/10 飯田線 辰野、クモハ54110

1983/05/03 飯田線 天竜峡、クモハ54110

 クモハ54110←60038(1940年製)

クモハ54110は、旧40系(客ドア間に窓が5個)からのセミクロス改造車になる。

末期の飯田線では最大勢力になり、よく似た外観の車両がとても多いと感じる。

そのうち下り偶数向きは4両で、抵抗器/電気側が助手席側のため偶数設計に見える。

4両のうち、客ドアの戸袋窓がHゴムはクモハ54108とクモハ54110の2両になる。

行先表示板受けが110は窓下で中央ドアとなり、ただし右側で珍しい。(通常は左側)

なおクモハ54108は行先表示板受けが窓上で、両端のドア付近になる。

また108は、運転席側窓下でテールランプ上に修理跡(小型通風機塞ぎ撤去?)あり。

 

 参考:旧型国電車両台帳、国鉄電車の歩み(30系から80系まで)、

    国鉄電車ガイドブック 旧性能電車(上)、飯田線の旧型国電 増補版

    時刻表 1983/03、他